熊本県荒尾市の整形外科

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ゆ、指輪が抜けない!!指輪の外し方

おそらく日常的に指輪が抜けなくて困ることはあまりないと考えている方は多いでしょう。高齢者の方で「抜こうとしたけど抜けなくてそのままにしてて20年つけてます(。-`ω-)」みたいな猛者もいるくらいです。今回はそんな指輪にまつわるエピソードもお話してみようと思います。


指輪が抜けなくて困るの?
そもそも抜けなくて困るの?と思う方が多いでしょう。確かに日常的には困ることはあまりないのですが、以下の2つのケースで困ることがあると思います。
①指や手が腫れる:僕自身は経験がありませんが、以前救急対応をした医師に聞いたエピソードがあります。それは「若い男性の方で手がむくみ、指輪が食い込んでしまい抜けなくなった。」とのことでしたが、その症例は、指輪の先が阻血(血流が遮断され状態)となり、指がかなり腫れ、激痛が引き起こり、最悪の場合、指の機能障害を引き起こす可能性が起こる状態となったそうです。さらに最悪だったのが、指輪がタングステン性で通常の指輪を切断する道具(リングカッター)でも切断ができず、高度医療機関に搬送になったとのことでした((+_+))
②検査や手術の時に困る:肩、手、指を何らかの理由で受傷した場合、手や指が腫れることが多いです。受傷部位に指輪がついてるとレントゲンやCT検査で骨折がわからなくなる場合や金属を持ち込めないMRIで検査ができない場合などが発生したり、手術の際にはとらないと手術部位に影響するため、手術できない可能性もあります。

実は指輪外すのは結構得意!
ちなみに何科の疾患か??と言われると「う~ん。。救急??」とかになるんですが、僕もわかりません( 一一)。
ですが、自分で言うのもなんですが、結構指輪外すの得意なんですよね(。-`ω-)よく、検査や手術前の指輪が取れない症例の指輪外しを頼まれてました。いくつか方法はありますが、よくひもを用いた方法で指輪をとることが多いです(*^-^*)。ただし、一般の方は骨折などのリスクや最悪阻血などを起こし、症状が悪くなるリスクもあるため自分ではしないようにして下さい。

※指輪の外し方※(ペンローズドレーンや糸などを使用)(医療者向けの内容です)
患者様へ:基本的には指輪を壊さずにとる方法ですが、指輪が壊れる可能性もあること、また関節を痛める可能性があることをご容赦ください。

まず取れそうか判断してください。何度か自分でとろうとして取れなかった状態で病院を受診されると腫れが強い場合があります。緊急性などが無い場合は腫れが引くのを待つか駆血や挙上して腫れを引かせることも検討してください。

痛みが強い場合などはブロック注射なども検討してください。方法です。まず、イメージはペンローズの上を指輪が滑り、第2関節(PIP関節)を通り抜けるイメージをしてください。指輪にペンローズドレーンなどのひも状のものを通します。この時、指先側のペンローズドレーンは巻かなければならないため長めに準備します。

指の根元から指先の方向に向けて一方向(巻き戻しはだめ)に関節を覆うように巻きます。隙間が無いようにすることが成功率を上げます。次に潤滑材(石鹸や油)をつけますがつけるのは指輪と巻いているペンローズ側だけにしてください(持ち手につけると滑ってとりにくくなります)。

図のように持ち手側を指先側に向かってテンションをかけるように引っ張りながら(指輪を抜く方向に向かって)、ほどいていきます。第2関節(PIP関節)をうまく通過すれば、指輪は抜けます。

抜けた~\(^o^)/
となるわけです。

患者様に覚えておいてほしいこと!
今回は医療者向けに近いですが、患者様にも覚えておいてほしい内容があります。
①肩、肘、手などの上肢を怪我したケースの場合、腫れる前に指輪を外しましょう。←大事
②むくみなどで指輪が抜けない場合、無理をするとさらにむくみを助長します。無理はせず腫れが引くのを待つか、指輪が外せる指輪の業者や医療機関(リングカッターなどがあるかなどの確認が望ましい)を受診しましょう。
③体重の増えすぎに気をつけましょう(‘ω’)ノ←すいません。人のこと言えないので気をつけます。

関 昭秀

関 昭秀

初めまして、関 昭秀と申します。昨年度までは大牟田天領病院に勤務し、2024年4月より関整形外科の常勤医師として就任いたしました(火曜昼~水曜日は不在にしております)。  地元である荒尾に帰り、地域医療に貢献することを目標として研鑽を積んでまいりました。整形外科全般は勿論習得しておりますが、天領病院では、膝関節、腰、外傷、骨粗鬆症などを多く経験してまいりました。また整形外科以外の知識も多少あり、相談相手に困った時なども気軽に相談していただければと思います。

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