最近患者様より「〇〇病院で治らなかったから来ました。先生は名医ですね!」とありがたい言葉をいただきました(‘ω’)ノ が、実はそうではないのです((+_+))
私が研修医の時、上の先生から教えていただいたことはたくさんありますが、その中でも一番印象に残っている教えは「後医は前医を否定してはならない」というものです(´・ω・`)
今回は医療界の格言についてつぶやいてみようと思います。
後医は名医!!
「後医は名医」という言葉は、日本の医療業界で使われる格言(←たぶん)です。「後から診察する医師は名医だ」という意味を持ちます。前医の診断や治療経過を患者様から得ることにより良い判断ができることを意味します。
患者様の経過から情報を得る
まず原則として、当日に診断がつかないことはよくあります。例えば例を挙げると、①単純に検査結果が当日にわからない場合、②症状が部分的で複数の疾患が考えられる場合、③症状が軽症で検査に至らない場合、④検査の結果にて診断が不可能な場合などでしょうか。以下が例になります。
①造影剤を用いる検査やPET-CTなどの予約をとらないとすぐにできない検査のため診断できない。
②指先が部分的にしびれている以外の症状が無く、末梢神経、手根管症候群、頚椎ヘルニア、中毒などの指先のしびれが生じる疾患が複数考えられる場合。
③交通事故に合った患者様が、当日は腰の症状が無く、画像検査に至らなかった。後日腰部の骨折部がズレきて疼痛が増悪し骨折が判明した場合。
④膝の疼痛のためレントゲン検査をされたが、当日はズレが無く、検査にてわからない場合。
時間経過と前医での治療から他の視点が持てる
整形的によくあるのは前述の③、④の例でしょう。
「前の病院では骨折が無いと言われましたが、痛みが続きます」という訴えで病院受診をされることが多いです。少し時間がたってから病院受診をするため、疼痛の増悪並びに骨折部のズレが起こり、骨折部が目立つようになり、検査で判別可能となります。そのため、後医を受診した際に骨折がみつかる可能性があります。
また、前医で疑われていた病気や処方されていた薬の内容がわかります。たとえばA薬が治療が適切だが、効果が十分に得られていない場合にB薬に変えて効果があった場合「先生は名医ですね!」となるわけです。医療において、複数の視点が重要であり、特に難病や症状が複雑なケースでは、セカンドオピニオンが有効とされる理由もこれに該当するでしょう。
批判ではなく改善を表す言葉
この格言の表目だけを読むと「前医師の治療が適切でなく、新しく診てくれた医師が優秀である」ととられる内容ですが、実際はそうではありません。前医師の治療が適切でも、当日に診断がつかない場合や適切な治療にたどり着けない場合はあります。そのため、「前医を否定してはいけない」と先輩医師に教えていただきました。
ではどうすれば良いのか?
「ではどうすれば良いのか?」と考えるでしょう。私の答えは主治医との対話と考えます。
「前回大丈夫と言われたから痛みが強くなってきたけど言いにくい」とか「先生に自分の意見を伝えにくいです」とかの気づかいは私達に不要と考えます。私達医師は患者様に良くなって欲しいと常に考えており、そのために日々技術を磨きます。ですが、何が悪いのかわからなければ追加の検査や治療変更などはできません。
まとめ
日々診察をする上でしっかり伝わるようにを意識しながら診察していますが、伝わっていないことやわからないこともあると思います。当日でなくてもわからないことや聞きたいことがあれば遠慮なく聞いていただき、良い関係を築いていけることが治療で一番重要と考えます(‘ω’)ノ
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