家や施設で転倒して歩けなくなりました!!
「トイレに行こうとして転倒して歩けけなくなりました」「庭先で躓いてうごけなくなりました」など良く聞くエピソードです。股関節の骨折の場合、歩行は困難となり、基本的に車に乗ることも難しく、救急車で急性期の病院へ搬送されるケースが多いです(;_;)今回は股関節(大腿骨近位部)骨折についてつぶやいてみようと思います。
大腿骨近位部骨折について
大腿近位部骨折は、高齢者に多く見られる深刻な骨折の一つで、骨粗鬆症が進んできた高齢者に多発します。 大腿骨は人体の中で歩行をつかさどる骨の一つです。その近位部、いわゆる骨盤に近い部分での骨折は、歩行不能にし、活動性・生命に大きく影響を及ぼします。
1. 大腿骨近位部骨折の原因
大腿骨近位部骨折の主な原因は、転倒や事故などの外傷です。 特に高齢者は、骨密度の低下(骨粗鬆症)が進行しているため、軽く転倒しても骨折しやすくなります。以下などもリスク因子といえます。
- 骨粗鬆症
- 筋力の低下
- バランス感覚の悪化
- 視力の低下
- 薬の副作用によるめまいやふらつき
2. 大腿骨近位部骨折の症状
大腿骨近位部骨折を起こすと、以下のような症状が現れます:
- 強い股関節の痛み
- 骨折した脚を動かすことが困難
- 立ったり、歩いたりできない
- 骨折部の脚が外側に回転(回旋)し、短く見えることがある
- 腫れやあざ
基本的には手術適応が多く、すぐに医療機関を受験することが重要です。
3. 診断方法
大腿骨近位部骨折の診断は、主にレントゲンやCTスキャンによって行われます。ただし、不顕性骨折とってレントゲンやCTではわからず、MRIなどで判別される骨折もあり、正確に把握するために、詳細な画像検査が必要です。
4. 治療方法
大腿骨近位部骨折の治療法は、骨折の仕方や年齢、活動性、健康状態によって異なります。一般的には以下の方法が採用されます。基本的には骨折後に歩くことが困難となるため、手術療法がメインの治療になります。
- 手術治療:骨折の折れている位置によって名前が異なり、転子部骨折や頚部骨折などが代表的な骨折です。骨折の仕方によって骨を整復し、金属でつなぐ骨接合術や骨頭部を取り除いて、新しく人工物を入れて人工の骨頭をつくる、人工骨頭挿入術などを行います。
- 保存療法: 全身状態などのより手術ができない場合や、荷重がかからない骨折部位でズレがない場合(大転子骨折など)は、安静や免荷(体重をかけないようにする)などが選択されることもあります。
5.リハビリテーション
大腿骨近位部骨折の治療後、リハビリテーションが非常に重要です。リハビリテーションは、初期に行うことで筋力の低下を防ぎ、歩行能力を回復させることが目指されます。また以前の生活に近い生活に戻れるように歩行の仕方を変えるように訓練が必要です。
- 筋力トレーニング
- バランス感覚の向上を目指すエクササイズ
- 歩行練習(杖や歩行器を使うことが多い)
- 日常生活の動作訓練(特に人工骨頭挿入術後は脱臼のリスクがあり脱臼姿位にならないように訓練は必要)
6. 予防方法
高齢者の大腿骨近位部骨折を防ぐためには、転倒のリスクを減らすことが重要です。以下の予防策が有効です:
- 骨密度を守るために、カルシウムやビタミンDを摂取する。骨粗鬆症治療。
- 定期的な運動で筋力とバランス感覚を維持する
- 住居内の安全対策(カーペットや滑りやすい床の改善など)
- 視力、聴力、歩行などの補助(眼鏡、補聴器、杖)
結論
大腿骨近位部骨折は、高齢者にとっては非常に深刻な骨折であり、正しい治療とリハビリテーションが重要です。予防策を短時間で行うことで、骨折のリスクを減らし、健康な生活を維持することが可能です日常生活の中での小さな注意が、大きな事故を防ぐ鍵になります。
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