親指の痛みがでる病気はいくつかありますが、最近母指CM関節症と合わせてよくドケルバン病の患者様がいらっしゃいます。名前が難しいですが、親指(付け根付近にある)の背中側の腱鞘炎と考えてもらっていいです(‘ω’)。どちらに病気も同じような訴えで病院を受診されることが多いですが、今回はドケルバン病についてつぶやいてみます。
ドケルバン病(ドゥ・ケルバン病)とは?
ドケルバン病(de Quervain’s disease)は、手首の親指側に痛みを引き起こす腱鞘炎の一種(母指腱鞘炎)です。主に親指を動かす際に使われる腱が、手首の狭いトンネル(腱鞘)を通過する部分で炎症を起こし、腫れや痛みを引き起こします。特に親指を頻繁に使う作業をする人に多く見られます。
主な症状
ドケルバン病の症状は、次のようなものが一般的です。
- 親指側の手首の痛み: 特に親指を握ったり動かしたりするときに痛みが生じます。痛みは鋭い場合もあれば、鈍い痛みとして感じることもあります。
- 腫れとこわばり: 手首の親指側が腫れ、腱の動きが制限されることがあります。
- 親指を動かすのが困難: 痛みにより親指の動きが制限され、特定の動作(たとえば物を持ち上げる、ドアノブを回すなど)が難しくなります。
原因
ドケルバン病の主な原因は、親指や手首の過度な使用や繰り返し動作で起こります。また、妊娠~出産期、更年期の女性がなりやすいとされています。 キッチン作業、手芸、楽器演奏など、手を頻繁に使う作業が原因になることがあります。
診断
ドケルバン病の診断は、症状や病歴を詳しく聞き、手首の親指側を触診することで行われます。フィンケルシュタインテスト(変法)という、親指を握り込み手首を小指側に曲げる動作を行うことで、痛みが誘発されるかどうかを確認します。また、その他別の疾患が無いか否定することも重要です。
治療方法
ドケルバン病の治療には、以下のようなアプローチが取られます。
- 安静と手首の固定: 手首、親指の過度な使用を控え、サポーターやシーネなどを使用して安静にします。
- 薬物療法: 鎮痛剤の使用や炎症や疼痛が強い場合はステロイド注射による治療が行われることがあります。
- 理学療法: ストレッチや筋力トレーニングを行い、腱の柔軟性を高めます。
- 手術: 症状が重く、他の治療法が効果を示さない場合には、腱鞘の一部を切開して腱の動きを改善する手術が行われることがあります。
予防と管理
ドケルバン病の予防には、手首や親指の過度な使用を避けることが重要です。特に、繰り返し同じ動作を行う作業の際には、休憩を取り、手首をストレッチすることが効果的です。また、痛みや違和感を感じたら、早期に医師に相談することが重要です。
まとめ
ドケルバン病は、手首の親指側に痛みや腫れを引き起こす腱鞘炎の一種です。特に親指を頻繁に使う動作が原因で発症することが多く、適切な治療と予防が大切です。症状が現れた場合は、早めに対策を講じることで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
コメント